第36期竜王戦(だい36きりゅうおうせん)は、2023年度(2022年12月13日 - 2023年11月16日)の竜王戦である。竜王戦は将棋のタイトル戦の一つで、棋戦の主催は読売新聞社および日本将棋連盟、特別協賛は野村ホールディングス、他に協賛6社が付いている。
今期から持ち時間に関する規定に変更があり、ランキング戦(1-6組)、1組の出場者決定戦および2組以下の昇級者決定戦の持ち時間については、第35期までは「ストップウォッチ方式」が採用されていたが、今期から消費時間を秒単位で積算する、各5時間の「チェスクロック方式」に変更された(各5時間はこれまでと同じ)。
本戦を勝ち進んだ2名により行なわれる挑戦者決定三番勝負には、1組3位の永瀬拓矢王座と5組優勝の伊藤匠六段の二人が進出。伊藤六段が2連勝で挑決三番勝負を制し、藤井聡太竜王への挑戦を決めた。竜王挑戦により七段昇段した伊藤七段は、ランキング戦(5勝)・本戦(5勝)・挑決三番勝負(2勝0敗)で竜王戦最多タイの12連勝を記録し、全タイトル棋戦の挑戦者の中で現年齢順・棋士番号順いずれも歴代新人の挑戦者となった。また、藤井竜王、伊藤七段共に2002年生まれの同年代であり、タイトル保持者と挑戦者の両者が21世紀生まれであるタイトル戦は将棋界史上初となる。
七番勝負は2023年10月から11月にかけて行われ、藤井聡太竜王が挑戦者の伊藤匠七段を4勝0敗で下し、竜王のタイトル防衛に成功した。
本項は日本将棋連盟が公表する第36期竜王戦に関する対局情報・結果を基としている(外部リンク 参照)。
七番勝負
開催:2023年10月06日 - 2023年11月11日
- 先:先手番 / 封 :1日目 封じ手の手番 / 各局いずれも2日制で、持ち時間は両対局者とも各局8時間。
- 第1局と第7局では手番の先後を振り駒で決定。一方が4勝した時点で決着、以降の対局(※)は実施されない。
- 記録
- タイトル保持者と挑戦者、両対局者が21世紀生まれとなる将棋タイトル戦は史上初(両者とも2002年生まれ)。
- 第1局1日目(2023年10月6日)の時点で、両対局者の合計年齢41歳(1年未満切捨て)は、将棋タイトル戦における最年少対決記録。
※注:
- 日単位での合計年齢では42歳75日(藤井竜王は21歳79日、挑戦者の伊藤七段は20歳361日)。
これまでの最年少対決記録は、第57期棋聖戦第1局における合計年齢42歳(1年未満切捨て)。
(1990年12月11日時点。日単位での合計では43歳116日。屋敷伸之棋聖=当時18歳327日、挑戦者の森下卓六段=当時24歳154日)
- 日単位での合計年齢では42歳75日(藤井竜王は21歳79日、挑戦者の伊藤七段は20歳361日)。
- 就位式・ランキング戦優勝者表彰式
- 2024年1月30日、東京・渋谷「セルリアンタワー東急ホテル」
- 藤井竜王に羽生善治日本将棋連盟会長より推挙状、村岡彰敏読売新聞東京本社代表取締役社長より竜王杯並びに賞金4400万円目録がそれぞれ授与された。
決勝トーナメント
期間:2023年6月27日 - 2023年8月14日
持ち時間:各5時間 (ストップウォッチ方式)
竜王戦中継(第36期竜王決勝トーナメント)
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
1組
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
ランキング戦 (1組)
- 1位と2位は本戦出場 / 16名在籍
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2022年12月15日 - 2023年05月25日
出場者決定戦
- 3位、4位、5位は本戦出場。
- 5位決定戦1回戦敗退の4名は次期2組降級。
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2023年02月24日 - 2023年05月26日
2組
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
ランキング戦 (2組)
- 1位と2位は本戦出場(次期1組昇級) / 16名在籍
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2022年12月13日 - 2023年05月23日
昇級者決定戦 (2組)
- 3位(2名)は次期1組昇級。1回戦敗退の4名は次期3組降級。
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2023年04月07日 - 2023年11月01日
3組
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
ランキング戦 (3組)
- 1位は本戦出場(1位と2位は次期2組昇級) / 16名在籍
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2022年12月13日 - 2023年05月17日
昇級者決定戦 (3組)
- 3位(2名)は次期2組昇級。1回戦敗退の4名は次期4組降級。
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2023年04月04日 - 2023年10月04日
4組
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
ランキング戦 (4組)
- 1位は本戦出場(1位と2位は次期3組昇級) / 32名在籍
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2022年12月20日 - 2023年05月16日
昇級者決定戦・残留決定戦 (4組)
- 3位(2名)は次期3組昇級。1回戦敗退の8名は残留決定戦へ。
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2023年03月01日 - 2023年11月16日
5組
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
ランキング戦 (5組)
- 1位は本戦出場(1位と2位は次期4組昇級) / 32名在籍
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2022年12月15日 - 2023年05月16日
昇級者決定戦・残留決定戦 (5組)
- 3位(2名)は次期4組昇級。1回戦敗退の8名は残留決定戦へ。
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2023年03月06日 - 2023年11月01日
6組
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
ランキング戦 (6組)
- 1位は本戦出場(1位と2位は次期5組昇級) / 67名参加
- 67名内訳 : 6組在籍棋士58名 9名参加(女流枠4名・奨励会枠1名・アマチュア枠4名)
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2022年12月16日 - 2023年05月18日
昇級者決定戦 (6組)
- 3位(2名)は次期5組昇級。
- 持ち時間:各5時間(チェスクロック方式)
日程:2023年05月09日 - 2023年11月16日(発表:2023年4月25日)
※昇級者決定戦 3回戦以上の「Bye」は、アマチュア選手・奨励会員がランキング戦4回戦以上に進出したことにより生じた「不戦」。
脚注
注釈
出典
関連項目
- 第48期棋聖戦 (囲碁) - 読売新聞社が主催する2024年度の囲碁棋戦。
外部リンク
- 竜王戦:日本将棋連盟
- 第36期 七番勝負 / 棋譜一覧(竜王戦中継サイト)
- 第36期 決勝トーナメント / 棋譜一覧(竜王戦中継サイト)
- 第36期 ランキング戦・出場者決定戦(昇級者決定戦)
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- 竜王戦中継ブログ(読売新聞)
- 第36期竜王戦 ランキング戦展望
- 第36期竜王戦 本戦展望
- 第36期竜王戦 七番勝負展望




