2018年カナダグランプリ (2018 Canadian Grand Prix) は、2018年のF1世界選手権第7戦として、2018年6月10日にジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開催された。
正式名称は「FORMULA 1 GRAND PRIX HEINEKEN DU CANADA 2018」。
レース前
本レースでピレリが供給するドライタイヤのコンパウンドは、スーパーソフト、ウルトラソフト、ハイパーソフトの3種類。
オーバーテイクの機会を増やすため、ターン7とターン8の間のストレートに3つ目のDRSゾーンを追加した。本レースよりピットレーンクローズの時間がフォーメーションラップの20分前から30分前に変更される。
ルノー(全チーム)、ホンダ(トロ・ロッソ)、フェラーリ(ワークスのみ)がパワーユニットのアップグレードを実施。前戦モナコGPでMGU-Kが不調の中優勝したダニエル・リカルドは既にMGU-Kを2基使用していたが、1基目のMGU-Kのパーツ交換でグリッド降格を回避した。メルセデスもパワーユニットのアップデートを実施する予定だったが、品質問題により本レースでの投入は見送られた。
エントリーリスト
フェルナンド・アロンソが史上4人目のF1参戦300戦目を迎える。フォース・インディアは地元出身のニコラス・ラティフィを初めてフリー走行1回目(FP1)に出走させる。
予選
2018年6月9日 14:00(EDT/UTC-4)
セバスチャン・ベッテルが3戦ぶりのポールポジションを獲得した。
ロマン・グロージャンはQ1開始直後にパワーユニットのトラブルが発生してタイムを記録できず、決勝は最後尾からスタートする。ピエール・ガスリーはFP3でエンジンのパワー低下が見られたため旧スペックのパワーユニットに交換せざるを得ず、16位でQ1敗退となった。その後、新しいパワーユニットに交換し、エンジン(ICE)が規定を超える4基目に達したため10グリッド降格(実際には3グリッド後方の19番グリッド)となっている。
結果
- 追記
- ^1 - ガスリーは予選後に規定を超えるパワーユニット交換(4基目のICE(エンジン))を行ったため10グリッド降格
- ^2 - グロージャンはタイムを記録できなかったが、スチュワードの判断により決勝への出走を許可された
決勝
2018年6月10日 14:10(EDT/UTC-4) 気温:20度 路面温度:41度 湿度:27% 天候:晴(ドライコンディション)
セバスチャン・ベッテルが1度もトップを譲らず、ポール・トゥ・ウィンで通算50勝目を飾った。ドライバーズランキング首位のルイス・ハミルトンは5位に終わり、ベッテルが1点差でハミルトンを上回りランキング首位に返り咲いた。
展開
スタートでダニエル・リカルドがキミ・ライコネンを抜いて5位に浮上した以外は上位陣に変動はなかった。後方ではランス・ストロールがターン5でバランスを崩してブレンドン・ハートレイを巻き込む形で接触、クラッシュしてしまい両者とも早々とリタイアとなった。これによりセーフティカーが出動した。5周目にレースが再開された直後にセルジオ・ペレスとカルロス・サインツJr.が接触し、ペレスは順位を落とした。ベッテルはファステストラップを連発して2位以下を徐々に引き離していく。16周目にマックス・フェルスタッペンとハミルトンがピットイン。リカルドはここでペースを上げてピットインを行い、ハミルトンをオーバーカットして4位に浮上した。2位のバルテリ・ボッタスは36周目まで引っ張ったが、タイヤが限界となりピットイン。これを見てベッテルもピットインして首位をキープする。本レースがF1参戦300戦目のフェルナンド・アロンソは42周目にスローダウンしてしまい、ピットへ戻りリタイアした。ボッタスはベッテルに迫っていくが、56周目のターン1でオーバーランしてしまい、さらに差が広がった。誤って1周早くチェッカーフラッグが振られるハプニングがあったが、ベッテルは完璧なレース展開で優勝した。
結果
- ファステストラップ
- マックス・フェルスタッペン - 1:13.864 (65周目)
- ラップリーダー
- 1-68=セバスチャン・ベッテル
- 追記
- 当初は70周の予定だったが、誤って69周目にチェッカーフラッグが振られたため、68周終了時点で順位が確定した。
第7戦終了時点のランキング
- 注:ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。
脚注




