車両制限令(しゃりょうせいげんれい、昭和36年7月17日政令第265号)とは、道路法第47条第1項に基づき、道路の構造を保全し、または交通の危険を防止するため、通行できる車両の制限を定めた政令である。
通行できる車両の幅、総重量、軸重、隣接軸重、輪荷重、高さ、長さ及び最小回転半径等の制限を定める。
車両制限
この制限を超える車両は道路法第47条第2項により、原則として道路の通行が禁止されている。制限を超える車両を通行させる場合、車両制限令第3条の制限を超えるものは、道路法第47条の2第1項の特殊車両通行許可を、車両制限令第3条の制限を超えないもので、車両制限令第5条から第7条までの制限を超えるものは、車両制限令第12条の特殊車両通行認定を受ければ、通行することができる。いずれの場合も、徐行等の条件が付される場合がある。
また、ここでいう道路とは、道路法上の道路をいい、臨港道路、農道、林道、私道などには、道路法および車両制限令は適用されない。
車両の幅制限
車両制限令では、道路を通行する車両の幅員(貨物を積載した上での実際の幅員)を制限している。
なお、車道や路肩の定義は道路構造令に基づくものである。通例、道路構造令の路肩は区画線である車道外側線(車両通行帯最外側線を含む)により区画され、車道と路肩は構造上明確に区分される。またこの制限は一般道路を前提としており、高速道路等には適用されない(別の道路構造令上の基準による)。
一般
本件制限における「車道の幅員」は次の表の定義により、車両制限令による車両の幅の制限は次の表により規制される。
※なお、「特例」(市街地区域内の駅前、繁華街等にある歩行者の多い道路のうち道路管理者が指定した道路であって、歩道または自転車歩行者道(自転車道を含む)のいずれも無い道路の区間を、道路管理者が指定した時間内に通行する車両)については後述。
特例
市街地区域内の駅前、繁華街等にある歩行者の多い道路のうち道路管理者が指定した道路であって、歩道または自転車歩行者道(自転車道を含む)のいずれも無い道路の区間を、道路管理者が指定した時間内に通行する車両については、車両制限令による車両の幅の制限は次の表により規制される。(「車道の幅員」は前掲の表の定義による)
1972年8月に発生した戦車闘争(村雨橋事件)を契機として、第14条にて非常時の自衛隊車両並びに日米安保条約による米軍車両に適用しない旨が規定された。
関連項目
- 道路構造令 / 道路橋示方書
- 公道 / 私道
- 特殊車両
- 特殊車両通行許可
- 保安基準の緩和
- 車両総重量
外部リンク
- 車両制限令 - e-Gov法令検索




