パトリック・アラン・コービンPatrick Alan Corbin, 1989年7月19日 - )は、アメリカ合衆国ニューヨーク州オノンダガ郡クレイ出身のプロ野球選手(投手)。左投左打。MLBのテキサス・レンジャーズ所属。

経歴

プロ入り前

少年時代にはリトルリーグで野球を経験していたが、キケロ・ノースシラキュース高等学校(C-NS)に入ると野球チームには入らず、友達との遊びを好み、スポーツはバスケットボールとアメフトに熱中した。バスケのチームメイトに勧められ野球チームのトライアウトを受けると、トレーニングをほとんどしていないにもかかわらず80mph(約130km/h)の速球を投げた。それから野球もするようになり、C-NSは州のトップチームになり、自身は全区選抜や中ニューヨーク州選抜に選ばれた。高校時代の通算成績は14勝0敗、139奪三振。また、バスケットボールでは学校のシーズンの最多スリーポイント記録を更新する活躍を見せ、全区選抜に選ばれた。

高校卒業後は成績が足りないために大学野球のできる4年制大学では進学できず、モホーク・バレー・コミュニティ大学へ入学した。ここではバスケットボールに専念すると2チームのスカウトが来て75,000ドルの契約金を提示されたが、最終的には断った。シーズン後にトラベルベースボールチームに参加すると、90mph(約145km/h)の速球を投げ、ヒットを1本しか許さない活躍を見せた。その後、年中野球のできる気候のチポラ大学に移ると野球に専念した。ここでも活躍を見せ、パンハンドルのカンファレンス代表に選ばれるなどした。

プロ入りとエンゼルス傘下時代

2009年のMLBドラフト2巡目(全体80位)でロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムから指名され、プロ入り。

ダイヤモンドバックス時代

2010年7月25日にダン・ヘイレンとの1対4のトレードが成立し、ジョー・ソーンダース、タイラー・スカッグス、ラファエル・ロドリゲスと共にアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した。

2012年4月30日のマイアミ・マーリンズ戦でメジャーデビューを果たし、6回途中を3失点で初登板初勝利を挙げた。メジャー1年目の最終成績は6勝8敗1セーブ、防御率4.54、86奪三振を記録した。オフには体重を10ポンド(4.5kg)増やし、速球のスピードも2マイル毎時(3.2km/h)増した。

2013年は開幕ローテーションに入り、5月には5試合に登板し、5勝0敗、防御率1.53を記録し、ピッチャー・オブ・ザ・マンスを受賞。またその後も勝利を重ね、前半終了時点で11勝1敗、防御率2.53を記録し、史上8番目の若さでオールスターに選出された。最終成績は14勝8敗、防御率3.41で、初の2桁勝利を記録した。

2014年年は開幕投手に内定していた。しかしスプリングトレーニングで腕に張りを感じ、MRI検査の結果、肘の尺骨側副靭帯が損傷していた。その後トミー・ジョン手術を受け、シーズンは全休した。

2015年は7月4日のコロラド・ロッキーズ戦で復帰登板した。最終成績は16試合に先発登板し、6勝5敗、防御率3.60だった。

2016年は年俸調停権を獲得し、1年総額252.5万ドルで合意した。シーズンでは8月半ばまでに24試合に先発登板し、4勝12敗、防御率5.58と不振に喘ぎ、中継ぎに配置転換された。 中継ぎとしては23.1回を投げ、防御率2.70の成績を残した。

2017年は1年総額395万ドルで合意した。先発に復帰し、前半はあまり良くなかったものの徐々に調子を上げていき、最後の3カ月は防御率2.90の好成績で、最終成績は14勝13敗、防御率4.03だった。チームはポストシーズンに進出したが、出番はなかった。

2018年は1年総額750万ドルで合意した。初の開幕投手を務め、開幕から好調で前半戦を6勝3敗、防御率3.05、140奪三振で終え、オールスターに選出された。その後も好調を維持し、最終成績は200回を投げ、11勝7敗、防御率3.15、246奪三振で、サイ・ヤング賞投票では5位に入った。オフの10月29日にFAとなった。

ナショナルズ時代

2018年12月4日にワシントン・ナショナルズと6年総額1億4000万ドルの契約に合意したことがMLB公式サイトで発表され、同月7日に入団会見が開かれた。

2019年4月18日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で初勝利。7月2日のマイアミ・マーリンズ戦では、前日に急逝した元同僚のタイラー・スカッグスを偲び、彼が着けていた背番号『45』を着けて試合に臨んだ。9月1日のマーリンズ戦で2年連続200奪三振に到達し、マックス・シャーザーとスティーブン・ストラスバーグと共にナ・リーグで50年ぶりとなる同一チーム3人の200奪三振を達成した。最終成績は33試合に先発登板(202.0回)で14勝7敗、防御率3.25、238奪三振だった。ポストシーズンでは計3試合の先発登板に加えて、リリーフとして5試合に登板した。ワールドシリーズ第7戦では6回裏から3回無失点に抑え、チームの逆転勝利および優勝に貢献した。オフにウォーレン・スパーン賞を受賞。

2020年は2勝7敗で防御率4.66だった。被安打85、WHIP1.569はともにナショナルリーグワーストだった。

2021年は31試合に先発登板して9勝16敗の負け越し、防御率5.82、143奪三振を記録した。

2022年は前年と同じ31試合に先発登板して6勝19敗と大幅に負け越した。また、防御率6.31、128奪三振を記録した。

2023年は前年を1試合上回る32試合に先発登板して10勝15敗と負け越した。ただ、防御率は5.20と僅かに改善した。また、124奪三振を記録した。

2024年は前年と同じ32試合に先発登板して6勝13敗と4年連続で負け越した。その他の成績は防御率5.62、139奪三振だった。オフの10月31日にFAとなった。

レンジャーズ時代

2025年3月18日にテキサス・レンジャーズと、1年総額100万ドルプラス出来高数百万ドルで契約を結んだ。

詳細情報

年度別投手成績

  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

ポストシーズン投手成績

  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

  • ウォーレン・スパーン賞:1回(2019年)
  • ピッチャー・オブ・ザ・マンス:1回(2013年5月)
  • 週間MVP:1回(2018年4月22日)

記録

  • MLBオールスターゲーム選出:2回(2013年、2018年)

背番号

  • 46(2012年 - )

脚注

関連項目

  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 C

外部リンク

  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Patrick Corbin stats MiLB.com (英語)
  • Patrick Corbin (@PatrickCorbin46) - X(旧Twitter)
  • Patrick Corbin (@patrickcorbin46) - Instagram

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